北欧パートナー企業訪問記 その2(Dykon社)

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スウェーデン王室御用達 寝具メーカー「Dykon社」ケネスさんを訪ねて

(村上編)

 

「村上さん、スウェーデンに行くわよ」

「ス・ウェ・ー・デ・ン・ニ・イ・ク・?」

入社してまだ1年もたっていない頃のことです。

 

北欧出張を告げられた私、村上は、

代表、部長含む役員の皆様に囲まれていた緊張感と、

北欧出張という夢のような言葉に、驚きと喜び、

さらには英語がそれほど得意でないという不安が一気に押し寄せ、

今までに感じたことのないとまどいと戦いながら話を聞くことになりました。

なにを隠そう私はこれまでに海外行ったことがなかったのです。

 

それから数ヶ月が過ぎ、やっと入社2年目を迎えた頃

サプライヤーの皆様との関係構築、北欧の暮らしを発信することをミッションに、

28年間生きてきた私の初めての海外出張がスタートしました。

 

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初めての国際線!!!

 

「あぁ!私は異国にいるのね!」

私たちが最初に到着したのは、デンマークコペンハーゲン空港です。

ちょっと車を走らせれば色とりどり、レトロな建物が立ち並ぶ「ニューハウン」。

かのアンデルセンも大好きだったという「チボリ公園」。

どんなワクワク、ドキドキがまっているのだろう!

もちろん遊びにきたわけではありません。

立ち寄る予定もないけれど、観光雑誌やテレビでみた、

夢のような世界が広がっていると思うだけで、心は浮かれてしまうものです。

 

さて、飛行機を降りた私は、すれ違う人の目線の高さにまず驚きました。

トイレの扉、荷物を押すカート、スタバのカップ、人・・・。

「全部ビッグサイズだ・・・!」

最初の驚きは今までにない「サイズ感」でした。

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コペンハーゲン空港では、北欧王室ご用達ブランド「Engmo Dun」の製造元、

デンマークの寝具メーカー「Dykon社」の社員、ケネスさんとまちあわせ。

初めての異国、ケネスさんの顔を知らない私でしたが、

遠くから笑顔でこちらに走って近寄ってくださっている方が

ケネスさんだとわかった瞬間の安心感ときたらありません。

 

Dykon社があるのはデンマークのコリング。

この日はすでに夕方だったために、会社訪問、工場見学は明日とし、

ケネスさんの運転で、会社の近くのHOTELまで送っていただきました。

北欧の道路は広く、しかも一般道なのにまるで高速道路のように

まっすぐ長く続いています。そのため、車のスピードも全体的に速く、

ケネスさんの運転に、内心ヒヤヒヤしていたのはここだけのはなしです。

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移動中、どこまでも続く壮大な草原の中に、ぽつりぽつりと教会が。

また、たくさんの羊や牛があちらこちらに見られました。

見渡す限りの草原と雲が幾重にも重なっていつもより立体感を感じる美しい空。

途中立ち寄ったガソリンスタンドで、

はじめてデンマークのヒンヤリ澄んだ空気を胸いっぱいに吸いこんだとき、

デンマークにいることをやっと実感し、無事にここまで来られたことの安堵感と

初めて見る美しい光景に感動し、胸がじんわりとあつくなりました。

 

日本の9月は残暑が続く、まだまだ蒸し暑い時期ですが、

デンマークの9月は長袖とKLIPPANストールが欠かせないほど。

 

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Dykon社のケネスさんと」

移動中、ケネスさんのご家庭のことや

デンマーク人の暮らしについておはなしを伺いました。

 

ケネスさんは、デンマークの南に位置する「スペンポー」という町で、

奥様と、6歳、10歳のお子様との4人暮らしです。

13年間も連れ添った奥様だそうですが、

結婚されたのはなんと数週間前というから驚きです!

デンマークでは、結婚に際して親が援助したりご祝儀をもらったりする習慣がなく、

お金がたまってから結婚式を上げるというのは普通のことなのだとか。

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結婚式の写真をケネスさんが送ってくださいました。

 

また、デンマークで夫婦共働きも普通のことだそうで、

ケネスさんの奥様も管理栄養士として働いていらっしゃいます。

だから育児、家事は夫婦で力をあわせるのがあたりまえ。

海外出張が多いケネスさんですが、

家にいるときの子どもの送り迎えは必ずされているそうです。

 

車内でそんな幸せそうなおはなしを伺いながらも、

一方で、デンマークでは3組に1人が離婚しているということも

ケネスさんに教えていただきました。

デンマークは世界一幸せな国」と言われていることから、

個人的には意外と感じる話しでしたが、

それはつまり1人1人がしっかりと自立している。ということにも繋がりますし、

そもそも「幸せの定義」って人それぞれで、

例えば「離婚=不幸せ」を連想してしまった、

私の考えが偏っていることに気がつく瞬間でもありました。

 

こういったおはなしを伺いながら、価値観って人それぞれであることと、

自分の価値観で物事を判断するのは、もしかしたら失礼なことなのかも、と。

まるで小学校の道徳の授業をやっていた頃に戻ったような、

不思議な感覚で、あれこれ考えを巡らせたのでした。

 

ケネスさんに「デンマークが世界一幸せな国」

といわれていることに対して、どう思っているか尋ねると

「人それぞれだよ」という答えが返ってきたのが印象的でした。

 

また、ケネスさんにはデンマーク人の

転職率の高さについても教えていただきました。

今Dykon社には90人の社員が働いているそうですが、

10年以上勤務しているのはケネスさん含めて6・7人程度。

12年も継続して勤務しているケネスさんは珍しい存在のようです。

これは、スウェーデンでのインタビュー中にも聞いたはなしですが、

北欧では、長く勤めていることが評価に繋がるかといえば、一概にそうとも言えず、

むしろ様々な仕事の経験がある人の方が転職に有利、評価されるのだとか。

ケネスさんがこうして12年間も務めているのは、

この仕事に誇りを持っているからこそだと感じることでもありました。

 

私たちがデンマーク人の暮らしをもっと知りたいと伝えると、

ケネスさんは、私たちが宿泊するHOTELの近くにある

公園を案内してくださいました。

そこには、犬の散歩を楽しんだり、池の鳥に餌をあげていたり、

自然を満喫している人々の姿が。

公園はデンマーク人にとって憩いの場所なのです。


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「いよいよDykon社へ」

2日目、Dykon社では、工場、オフィス見学と商談に加え、

社員みなさんの働き方、暮らしについておはなしを伺いました。

 

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デンマークは政府が昇降式のデスクを入れることを推奨しており、

 Dykon社でもオフィスにある個人のデスクはもちろん、ミーティングルーム、

併設する工場エリアの作業台まで、高さが自由に調整できる

電動で昇降するデスクを取り入れています。

 

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基本的に荷物は足元に置かず、資料や書物は専用の部屋に格納、

机の上には必要な資料しかないようでしたが、

ある人の机にはグレープやブルーベリーが…

ある人は家族の写真ファイルカバーに…

各自のリラックスできるモノは、すぐそばにあるようです。

 

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また、共有のキッチンルームには、

たまたまつくってきたという社員お手製のティラミスがあり、

食べたい人が自分の好きな分だけサーブして、

お茶タイムをどうぞ楽しんで!といった自由な感じ。 

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オフィス見学では、 それらのスイーツをつまみつつ、

ミーティングはスタンディングでサクッとすます!

といったラフな様子もみられました。

 

ここでケネスさんと一緒に商談に出てくださった、

女性社員のシャーロットさんに、

1日の流れについて伺ったのでご紹介します。

 

シャーロットさんの朝は早く、5時45分には目覚め、7時半には出社されます。

午前中は1日のタスク確認とメールの返信など、

ランチは30分ほどデスクでチャチャっとすませるそう。

外食をしないのか尋ねると、

「近場にランチできる場所がないのと、外に出ると高くつくから基本的に

お昼は持参。あとは定時内に仕事を終わらすために」とのこと。

確かに、デンマークの物価は高く、

例えばコンビニでサンドイッチとジュースを買おうとすると、

だいたい1500円前後。外食ともなれば2000円以上は予想できます。

 

午後はミーティングや各国との商談、連絡事項などにとりかかり、

16時には仕事を終えて帰路に。

夕食は18時、家族シフト制で料理を担当しているそうです。

その後、趣味のガーデニングをしたり本を読んだり、

娘さんとの会話を楽しんだりして23時には就寝。

 

朝を早くスタートさせて、夕方を家族や自分の時間に使う

といった働き方は、北欧では一般的と伺いました。

今回インタビューさせていただいたほとんどの方が、

朝は早く、夕方や休みの日にジムに通ったり、

家族とのイベントを楽しんだりといった様子でした。

 

今回私たちがコペンハーゲンに到着してから、

ずっと同行してくださったケネスさん、とっても気さくなシャーロットさん、

それから私たちが社内見学している最中、仕事の手をとめて

挨拶くださった社員のみなさんのあたたかい優しさを肌で感じ、

あふれんばかりの感謝とともにデンマーク、Dykon社の訪問は終了しました。

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最後に宿泊したHOTELの裏手にあった湖からの朝焼け写真を。

 

日中は長袖で少し肌寒いかな?くらいの気温でしたが、

朝は吐く息が真っ白!ダウンを着込まないと震えるほど寒い!

キーンと冷えた湖面に映る町並みはそれはそれは美しく、

朝靄の中、まだ夢の中にいるような気分でした。

 

海外出張3日目、

次回は スウェーデン第3位の人口を誇る大都市マルメから北へ約30分。

自然豊かな「KLIPPAN」に本社を構える老舗テキスタイルメーカー

「KLIPPAN」についてご紹介します。お楽しみに!